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http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1602.html
>> これについては、NHKの番組の中でも木下さんがグラフを示して反論していました。同様の反論が、今日の『東京新聞』にも出ています。 「派遣労働と海外現地生産」「派遣減れば工場は海外に移転する?」という見出しの特集記事です。ここにはいくつかのグラフが掲載されており、派遣法の改正ごとに派遣労働者と事業所数が増え続けてきたこと、04年度以降、派遣料金や賃金は低下、横ばい傾向であること、世界の三大派遣市場はアメリカと日本、イギリスであること、海外生産比率は派遣労働者に比例して上昇していること、派遣が増えると海外生産も増えていることなどが示されています。 そして記事は、「登録型、製造業への派遣が原則禁止されれば、経営者などは『海外に生産拠点を移す』と繰り返し主張しています。本当に海外生産は、派遣労働のいかんによって決まるのでしょうか?」と問題を提起し、次のように書いています。大変、重要な指摘です。 そこで、海外生産比率と派遣労働者総数や製造業への派遣数との関係を調べると、海外生産は派遣が増加するほど増える関係にあります。解釈は別として、データからは、派遣が増えなくなる(減る)と、海外生産が増えるとはいえません。 海外生産の原因として挙げられているのは、安価な労働力以上に現地の需要動向です。さらに今後、需要増加が見込まれる中国や新興国などをはじめ、世界的に保護貿易傾向が強まっており、現地進出しなければならない状況にある、との指摘もされています。派遣法改正を声高に理由として挙げるのは疑問です。 つまり、「登録型、製造業への派遣が原則禁止されれば」工場が海外に移転するというようなことはないというのです。安心して、労働者派遣法を改正し再規制を強化していただきたいものです。 ただし、労働政策審議会が示した原案は、このような使用者側委員による主張に引きずられて、中途半端で不十分なものになっています。派遣労働の規制強化、派遣労働者の保護と均等待遇の実現、派遣先使用者責任の強化という方向をさらに強める形で法案を作成する必要があるでしょう。 なお、付言すれば、この間、海外生産が増え続けてきたということ、その原因は「安価な労働力以上に現地の需要動向」にあるとすれば、もうひとつの主張の誤りも明らかになります。 それは、企業に対する優遇税制を無くしたり税率を引き上げたりすれば、海外に逃げていってしまうのではないかという議論です。このような議論も、間違いだということになります。 バブル経済が崩壊して以降、企業に対する税率も金持ちに対する累進税率も段階的に引き下げられてきました。つまり、企業が払うべき税金が安くなっていたわけですが、それにもかかわらず、企業は海外での生産を拡大していたということになります。 『東京新聞』1月10日付の特集記事が示していることは、海外生産は現地の需要に伴って拡大しているのであり、労賃の安さや税金の高さなどとは関係がないということです。このような事実を明らかにすることは極めて重要です。 同じ様に労働者派遣法の改正問題を取り上げていても、規制強化によるマイナス面を強調してるように見えるNHKの番組と、そのような俗論をくつがえすような事実を提示した『東京新聞』の記事とは、その印象が大きく異なります。どちらが、マスコミとしての役割をきちんと果たしていると言えるのでしょうか。
by earsp
| 2010-01-24 10:24
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